ニュージーランドは希少な固有種が多種生息しているが、侵略的外来種もまた数多く蔓延っている。

近年、ニュージーランドの南島の河川に定着したディディーモという珪藻がいる。こやつは河川に侵入すると、瞬く間に河床を覆い尽くして底生動物をはじめとした在来種の生存を危ぶませるコワーイ藻なのである。
なんせ藻なので、釣り人の靴の裏やタモ網や釣り糸(リール)にひっついては爆発的に分布を拡大させている。


そこで、ニュージーランドバイオセキュリティ庁が本気を出して蔓延防止に努めている。

まず、新たにディディーモも始めとした外来植物などを持ち込ませないために、入国時に釣具やキャンプ用品などをちゃんと洗浄してあるかチェックしている。
汚れを取って十分に乾燥させたか、あるいは生分解性の洗剤で洗浄してあるかがクリア条件。してなかったらその場で消毒液かけてもらえるらしいけど、多分かけられない物なら没収だろう。

国内移動も規制をかけている。北島にはまだ侵入していないため、インターアイランダー(船)で渡る際に釣具のチェックを受けた。僕はまだ洗浄していなかったけど、その旨を伝えたら消毒液をかけてもらえた。ついでにオリジナルのボールペンももらえた。地味に嬉しい。

そして当然、水域(河川)を移動する際も制限をしていて、消毒をしないと行けない。


もし故意にディディーモも他の水域に持ち込んだ場合、多額な罰金を払わされることになる。あとその水域まで乗ってきた車も没収されるとかいう噂。
とにかくガチ。日本ではまずやれないだろうなって思ったけど、実際こんな外来種が侵入してきたら、ここまでやらないと取り返しのつかないことになりそう。おそらく、それでも焼け石に水かもしれないが。